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豊田工業大学 研究センタースマート情報技術研究センター

スマート情報技術研究センター

2021年設立 センター長:浮田宗伯

【工学基礎(情報)】プログラミングと論理学を軸に計算の方法や仕組みを考える

教授 山口文彦

研究テーマ

  • さまざまな論理系と計算との関連
  • 計算機科学の知見の人文科学への応用

主な研究内容・成果

線形論理における帰納推論アルゴリズム

線形論理は1987年にGirardによって提案された比較的新しい論理系です。推論規則の中の構造規則を演算子の種類によって制限する亜構造論理と呼ばれる論理系の一種です。命題論理の範囲で計算系を記述できるほど強力な表現力を持つ一方で、論理式の標準形を考えることが難しく、自動的な証明や推論には工夫を要します。帰納推論は事例から法則を見つけ出す推論で、学習の基盤でもあります。本研究では、線形論理における帰納推論を、部分式の置き換えによって行う方法を提案し、ある意味論の下で方法が健全かつ完全であることを示しました。

プロセス代数式の帰納合成

プロセス代数は、並列であったり分散している計算の様子を記述する数理的モデルで、エージェント間の通信の様子の記述を基本とします。式の帰納合成とは、どのような通信をしているかという事例が与えられたときに、式を推測するものです。プロセス代数式をプログラムと対応させると、これは、事例から並列なプログラムを合成することに相当します。線形論理とプロセス代数の対応が知られていることから、線形論理上の帰納推論から派生して、プロセス代数式の帰納合成を行う方法を提案し、通信が同期的である場合・非同期的である場合の系の性質などについて論じました。

ロンゴロンゴの記号列とイースター島古謡の対応づけ

ロンゴロンゴはイースター島で木片に刻まれた記号の列で、文字であるかもしれないとされていますが、未解読です。考古学的な方法論として、未解読な文字を解読する手がかりの代表的なものに対訳コーパスがあります。これは同じ内容を異なる言語で表現したデータの対を言います。ロンゴロンゴは歌を記録したものであるという説に基づいて、本研究では、ロンゴロンゴの記号に付された番号と、イースター島の古い歌の音韻をアルファベットで記録したものについて出現順序を比較することで、ロンゴロンゴと歌の間に対訳関係があるものを見つけようと試みました。出現順序の比較には、情報科学的な方法を用いています。この研究をまとめた論文が、日本情報考古学会2013年度論文賞を受賞しています。